本
読んだ本について、以前はあちこちにメモしたものだが、ここに書いておくことを思いついた。 世界文学重層 西成彦著、みすず書房、2026年、272p、ISBN 978-4-622-09846-1。2026年6月に図書館から借りたものの読めずにメモのみ。日経の書評で、堀田善衛、カズ…
書評人が今年の3冊を挙げているのを読んで、私も3冊あげてみようと振り返ってみると、今年はがっつり読んだ本はたいしてないことに気づく。それでもその中から3冊選んだ。 レイラ・ララミ『ムーア人による報告』 16世紀末、黄金を目指すスペイン人の一隊…
ムーア人による報告 レイラ・ララミ著、木原善彦訳 白水社、2025年6月10日、421p 原著:The Moor's Account / Laila Lalami ISBN 978-4-560-09096-1 目次:(★主人公の物語) 主要登場人物一覧…6 第1章 フロリダの物語(奴隷になって5年たった主人公が主人ド…
ガザ・キッチン : パレスチナ料理をめぐる旅 ライラー・エル=ハッダード、マギー・シュミット 著;藤井光、荻野聡子、島田楓、玉田小雪 訳;岡真理 監修 オレンジページ、2025年6月、337p 原著:The Gaza kitchen:a Palestinian culinary journey / Laila E…
渋谷敦志『能登を、結ぶ。』2024年1月1日に能登半島を襲った大地震。その後の現地の様子を丹念に撮影した写真家の本です。新聞記事で知り図書館から借りてきました。100ページ以上の写真には、キャプションが一切ありません。それでも1枚1枚が語る現地の様子…
ユダヤ人の歴史:古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで / 鶴見太郎著 中央公論新社、2025年1月、322p(中公新書) ISBN 9784121028396 目次: まえがき―ある巡り合わせ 序章 組み合わせから見る歴史(ユダヤ人の二つのイメージ;主体と構造;ユ…
迷えるウクライナ:宗教をめぐるロシアとのもう一つの闘い 高橋沙奈美著 扶桑社、2023年5月 287p (扶桑社新書) 目次: はじめに 第1章 東スラヴにおける東方正教会の歴史と特徴(1. 「シンフォニアの夢―政教関係の理想と現実/2. 独立教会制―領域原則と民…
ウクライナ侵攻とロシア正教会:この攻防は宗教対立でもある 角茂樹著 河出書房新社、2022年8月 221p (KAWADE夢新書) 目次: 序章 ロシアとウクライナの歴史に深く関わる正教会(ロシアはなぜ、ウクライナに侵攻したのか/正教会は、カトリックやプロテス…
日本経済新聞に2024年12月連載の「私の履歴書」は、米国の政治学者ジェラルド・カーティスでした。1か月間その足跡を読み興味をひかれたので、著書を読んでみました。少しだけ抜粋しておきます。 ジャパン・ストーリー:昭和・平成の日本政治見聞録 ジェラル…
『ウンム・アーザルのキッチン』(たくさんのふしぎ417号)ウンム・アーザルのキッチン / 菅瀬晶子文;平澤朋子絵 福音館書店、2024年6月 39, 4p (月刊「たくさんのふしぎ」471号) 内容: ある夏の日曜日(イスラエルのハイファに住むウンム・アーザルは、…
『砂漠の林檎』河出書房新社、2023 砂漠の林檎 : イスラエル短編傑作選 / サヴィヨン・リーブレヒト, ウーリー・オルレブ ほか 著; 母袋夏生 編訳 河出書房新社, 2023.8 258p ISBN 978-4-309-20890-9 目次: 砂漠の林檎 / サヴィヨン・リーブレヒト…5 コーヒ…
ナイジェル・ルイス著『ペイパーチェイス』は、ベルリンの国立図書館に所蔵されていた貴重な手稿本コレクションが、第2次大戦中に東方に疎開し、戦後ポーランドで保管されたが未だ返還されていないことを取材した、ノンフィクションである。1981年にロンドン…
■黒部・底方(そこい)の声:黒三ダムと朝鮮人 / 堀江節子、此川純子、内田すえの 富山:桂書房、1992年12月 308p 目次: はじめに 1章 黒部川第三発電所の建設 / 此川純子 1 黒部との出会い…2 2 彼らはなぜ黒部へやってきたのか…12 3 黒部川第三発電所…
デニス・ダンカン『索引 ~の歴史』光文社、2023年本の巻末にある「索引」の歴史の本。欧米の書物につけられた索引の歴史だが、第6章以降は現代の状況にどんどんつながる話ばかりで興味が尽きない。索引家協会についても記載が多くあり、そしてもちろんこの…
ドラッカー『非営利組織の警衛』ダイヤモンド社、2007年ウィキメディア財団やウィキメディア運動について考えていたら、それはピーター・ドラッカーの『非営利組織の経営』に通じますね、と指摘を受けました。早速図書館で借りてきて目を通して見ました。原…
O.スリヴィンスキー『戦争語彙集』岩波書店、2023ウクライナの詩人オスタップ・スリヴィンスキー作、ロバート・キャンベル訳著『戦争語彙集』を読みました。岩波書店から2023年12月22日発売の本です。1978年ウクライナ西部の都市リヴィウに生まれたスリヴィ…
スーフィズムとは何か:イスラーム神秘主義の修行道 / 山本直輝 集英社、2023年 222p (集英社新書) 目次: 序章 イスラーム神秘主義とは何か? …13 第1章 学問としてのスーフィズム …27 第2章 師匠と弟子:スーフィズムの学びのネットワーク …37 第3章 西…
『依存症と人類』みすず書房依存症と人類 : われわれはアルコール・薬物と共存できるのか / カール・エリック・フィッシャー [著], 松本俊彦 監訳, 小田嶋由美子 訳 みすず書房, 2023.4 xiii, 344, 83p ; 20cm ISBN 978-4-622-09602-3 目次: イントロダクシ…
『AI 2041』文藝春秋、2022AIが活躍する2041年の世界について、世界各地を舞台にした10の物語でSF作家が描き、その背景をグーグル中国元社長のAI専門家がわかりやすく解説。10の物語と解説を読み、AIとは何か、AIが作り出す世界とはどういうものか、そして人…
梅澤貴典『ネット情報におぼれない学び方』梅澤貴典さんが2月に出されて話題になっていた岩波ジュニア新書を読みました。若者向けに書かれていますが、どの世代の人にとっても役立つ内容と思いました。私にとっても、知識としては知っていることばかりでし…
銀座の教文館書店9階にある児童書専門店「ナルニア国」では、出産祝い用の絵本セットを販売しています。その内容をメモしておきます。 教文館・ナルニア国 はじめての絵本10冊セット 『くっついた』三浦太郎 作・絵 (こぐま社, 2005) 『ママだいすき』まど…
『地球にステイ』詩人四元康祐は、2020年にもパンデミック下の詩人のアンソロジーを編んでいました。こちらは2020年9月には出版されています。出版社クオンの社長金承福(キムスンボク)が、コロナ禍をテーマにした世界各国の詩人の作品を集めて緊急出版した…
『月の光がクジラの背中を洗うとき』新型コロナウィルスが猛威を振るった2020年4月から8月にかけて、世界48か国100名の詩人が短い詩を電子メールのリレーでやりとりし、一篇の長詩を完成させました。そこに韓国の詩人がはいっていなかったので、韓国の8人の…
『世界を動かした日本の銀』新聞の書評にひかれて『世界を動かした日本の銀』を読みました。島根県にある石見(いわみ)銀山の歴史的意義と現在の課題を多方面から語った、2022年に開催されたシンポジウムの記録です。16世紀に本格的採掘が始まった石見銀山…
『雨の言葉:ローゼ・アウスレンダー詩集』詩人ローゼ・アウスレンダーを知ったのは、日経新聞連載コラム「詩探しの旅」でした。詩人の四元康祐が、母語を使えなかった詩人として紹介していたのです。ウィキペディアをみると項目はあるもののごくわずかで出…
猪谷千香『小さなまちの奇跡の図書館』鹿児島県の南端にある指宿市の図書館を紹介した『小さなまちの奇跡の図書館』を読みました。猪谷千香さんの心のこもった力作に、何度もうなずきながらの読書でした。指宿市の図書館についてはいろいろな機会に話題にな…
G・ブルース・ネクト『銀むつクライシス』海洋資源がテーマの『銀むつクライシス』という本、2008年に出版されおそらく書評を読んですぐ買ったものの、手に取る機会の無いまま15年も立ってしまいました。その間2回も引っ越したのに手放さずにおいたのは、何…
メアリ・ノリス『カンマの女王』『猫の本棚』の校正をしていたころ、『ニューヨーカー』の校正者が書いたという『カンマの女王』という本の書評を読み、思わず買ってしまいました。結局その時は読まず、図書館雑誌2023年6月号の「図書館員のおすすめ本」に都…
『ヌマヌマ』(2023年9月12日筆者撮影)ロシア文学者沼野充義と沼野恭子が1981年3月15日に結成した2人組ユニット「ヌマヌマ」が、40年にわたる現代ロシア文学を舞台に走ってきた仕事の集大成として、12人の作家の作品を翻訳し、ユニット名をタイトルにした…
紀田順一郎『日本語大博物館』ジャストシステム、1994小林昌樹『調べる技術』を読んでいたら、日本語の排列規則について「そもそも日本語の表記体系が複雑怪奇──重層性と言うべきか──なのが原因と思うが、それについては、紀田順一郎『日本語大博物館:悪魔…