Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

2015-01-01から1年間の記事一覧

夏蜜柑

ベランダの夏蜜柑の鉢植え、カイガラムシとスス病で葉っぱがすっかり黒く汚れていたのですが、歯ブラシで一枚ずつ掃除したら見違えるほどきれいになりました。歯ブラシでゴシゴシこすっても葉が落ちたり破れたりすることはなく、柑橘類のいい香りがぷーんと…

アンドリッチ『ドリナの橋』

イヴォ・アンドリッチ著、松谷健二訳『ドリナの橋』(恒文社、1972)を読んだ。バルカン半島のセルビアとボスニアの間を流れるドリナ川に16世紀に架けられた石の橋の、4世紀のわたる物語である。16世紀当時はオスマン・トルコ帝国の時代で、ボスニア出身でオ…

作山宗久さんの本(2)「記録管理システム」

作山宗久さんが執筆された、記録管理に関連する著作・翻訳の発行年順リストです。 記録管理システム / ウィリアム・ベネドン著、作山宗久訳(勁草書房、1988)284p 文書のライフサイクル / 作山宗久(法政大学出版局、1995)296p 文書管理と法務 / 抜山勇, …

作山宗久さんの本(1)「青春」という名の詩

作山宗久さんが執筆された、サムエル・ウルマン(Samuel Ulman, 1840-1924)とその詩に関する著作・翻訳の発行年順リストです。内容としては1~2、3、4~7の3つのグループに分けられます。 「青春」という名の詩 : 幻の詩人サムエル・ウルマン / 宇野収, 作…

大江健三郎の本

2010年に芥川也寸志(1925-1989)のオペラ『ヒロシマのオルフェ』(1960/67)を演奏した際、テキストの著者である大江健三郎(1935-)の本を初めて手に取り読んでみた。芥川賞をとった『飼育』など初期の短編いくつかと、最新作の『水死』。T.S.エリオットに…

中野京子『怖い絵』と堀田善衛『美しきもの見し人は』

中野京子『怖い絵』を読み終わる。ヨオロッパの文化遺産を久しぶりに堪能。参考文献をみたら堀田善衛『美しきもの見し人は』が入っていて、おもわずうなずいてしまった。堀田の本は1975年の刷を持っているので、たぶんその時期に読んだ。その後朝日選書の文…

間所沙織年譜

2009年に横須賀美術館で開催された展覧会のカタログに載っていた年譜から抜粋してみました。作品は最初のいくつかを掲載したもので、主要作品というわけではありません。 西暦 年譜 展覧会出品作品より 1924 5月24日愛知県に生まれる。父・山田台一は職業軍…

藤田嗣治と間所沙織

東京国立近代美術館の所蔵作品展「MOMATコレクション 特集:誰がためにたたかう?」を観に行きました。最初の部屋にあった原田直次郎『騎龍観音』(1890)はさすがの迫力でしたが、おめあての藤田嗣治『アッツ島玉砕』(1943)のこれでもかという筆致には圧倒…

エリオットと大江健三郎

T.S.エリオットに出会ったのは、独文科3年生の時だった。英文学にすこし興味がわき、とった講義にエリオットの『荒地』がでてきた。出だしの「4月は最も残酷な月」(April is the cruellest month)は有名だが、難解な詩でほとんど理解できなかった。ただ長い…

八月や六日九日十五日

八月や六日九日十五日 荻原枯石(おぎわら・こせき)。忘れ得ぬ日々は既に足利の俳人が句にしていた。私は日航機事故の12日も加え毎年祈りの日としている(どの日も直接の縁はないが)。我が家は4人のうち3人が8月生まれで、8月は誕生と鎮魂の月である。そう…

ウーラントの詩「ハーラルト」

上智大学ドイツ文学論集に寄稿した文が、機関リポジトリで読めることがわかったので、リンクをつけておきます。ダンディの交響詩『魔の森』の元になった詩です。ウーラントの詩『ハーラルト』を翻訳して http://repository.cc.sophia.ac.jp/dspace/handle/12…

宮柊二の短歌

日本経済新聞2015年3月1日詩歌・教養欄の連載最終回の最後のところをメモしておきます。 宮柊二(4)戦場からの手紙:無名兵士の覚悟うたう(愛の顛末 / 梯久美子) 戦火をくぐり、おびたたしい死を見てきた柊二にとって、わが子の誕生はどんなにか嬉しい出…

東洋文庫のイスラーム展

東洋文庫でやっているイスラーム展を観に行きました。会期は2015年1月10日~4月12日。いろいろな種類のコーラン、羊皮紙に書かれた契約書、アラビアから中央アジア、南アジア、東南アジア、中国、そして日本のイスラーム、と分かりやすく実物を展示し解説し…

承教寺の狛件

散歩の途中で見つけた、日蓮宗承教寺の入り口に鎮座する狛件(くだん)。狛犬にしてはずいぶん横長の図体で、犬というよりライオンみたい。顔は人面だし、いったいこれはなんだと思わず写真をとりました。帰って調べたら狛犬サイトにもちゃんと載っていまし…

戸越八幡神社の狛犬

戸越銀座商店街を散歩していたら近くに八幡様があったので、寄ってみました。江戸時代の狛犬があってびっくり。しかも有形文化財の指定が。狛犬の脇にあった立札には、次のように書かれていました。 品川区指定有形文化財 戸越八幡神社 石造狛犬(とごしはち…

大向一輝『ウェブがわかる本』

Facebookを開いたら尊敬する大向一輝さんがブログを更新されていた。 2015年のごあいさつ 〔@i2kのブログ〕 http://i2k.hatenablog.com/entry/2015/01/01/021555 思えばウェブとのつきあいで参考にしたのが、大向さんの『ウェブがわかる本』だった。2007年の…

『やっちゃ場伝』

築地市場を見に行ったら急に市場のことに興味がわき、手元にあった『やっちゃ場伝』を読んでみました。これは神田にあった青物市場の歴史を、競り人である代々の伊勢長の目を通して語ったもの。江戸時代初期に神田多町あたりにつくられた青物市場が、昭和の…