Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

在宅コンサート6「 集団即興における視聴覚の分断と再統合」

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集団即興における視聴覚の分断と再統合
2020年5月30日 (土) 19:30〜

在宅コンサート6「 集団即興における視聴覚の分断と再統合」

…生配信の即興ライブです。この異常な状況で、資本主義の論理から相当遠いところにある即興音楽を継続しようという試みです。ぜひご覧ください!

「集団即興における視聴覚の分断と再統合」

2020年5月30日(土)19:30開演 投げ銭

Program

  1. 視覚の接続/聴覚の切断
  2. 聴覚の接続/視覚の切断
  3. 視聴覚の再統合

出演

  • 田上碧 (voice)
  • 坂本光太 (tuba)
  • 本藤美咲 (baritone saxophone)
  • 宮坂遼太郎 (percussion)

配信URL: https://youtu.be/OQS611LeyZA
企画: 細田成嗣、フライヤーデザイン: 内田涼、配信協力: People, Places and Things

投げ銭

その他詳細は下記Twitterアカウントよりご確認ください。
Twitter: @pplplcsndthngs

【視聴した感想】

  • 4人の奏者がまず視覚のみ、次に聴覚のみ、最後に両方を使ってセッションする試み。視聴者はそれをオンラインで全て見聞きすることができるという、なかなか面白いイベントでした。こちらの都合で音声をあまり大きくしなかったので、奏者間の細かいやりとりまではよくわかりませんでしたが、ライブハウスでびんびん伝わってくるやりとりとは別次元での音楽があるのだなあと感じました。
  • Voiceの方は最初から最後までスキャットでしたが、percussionの方が途中で何か解説書のようなものを朗読され、詩や小説ならともかく間に「年金」という言葉が何回か出てきて突然現実に引き戻される思いでした。意図的なのでしょうが、言葉の持つ重み、というか力をまざまざ感じたことでした。
  • フライヤーに解説文があったので事前に読もうと試みましたが、細かすぎ、拡大方法がわからず、読まずじまいでした。読まれることを拒否しているのでしょうか。
  • 余談ですが「投げ銭制」というのは初めてで、チケットを買う感覚で当日朝に送金したところ、主催者から「これは昨日のイベントの分ですか、それとも今日の分ですか」と問い合わせメールが来ました。何でそんなこと聞かれるのか全くわかりませんでしたが、イベントが終わってみたら、「投げ銭」なのだからイベントの途中か終わってから「投げる」ものだ、と気が付いた次第。これも新鮮な体験でした。

電話展示 Emergency Call

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電話展示 'Emergency Call'
コロナ禍での緊急事態宣言の中、16人の芸術家が参加した「電話展示」を聴きました。指定された電話番号に電話すると、簡単な紹介メッセージのあとに、一人3分程度の「展示」が流れてきます。音楽ばかりかと思ったらさにあらず、大半は日本語による「語り」でした。バックに街の音や自然の音が聞こえてくるものもありましたが、多くは声だけでした。

内容は、近況を語る人、自分の専門領域の事柄に触れる人、自作の短歌や古典作品を朗読する人、なぞなぞをかける人など様々でした。紹介してくれた坂本光太さんは、前に聴いたグルボカール「エシャンジェ」みたいな感じでのチューバを聴かせてくれました。他に電子音楽やギターと声の人や、騒音としか思えないものとか、それぞれに楽しい時間でした。

この時代を生きる若者たちのメッセージを実に見事に切り取ってコラージュした展示だと感じました。緊急事態宣言が解除されたら、電話番号が消えていました。

Exhibition 'Emergency Call'

2020.4.30-5.25 (日本国内の緊急事態宣言解除)
on air from 2020.4.30 to 5.25 (termination of the state of emergency in Japan)

050-XXXX-XXXX

自分が安全だと思う時間・場所でお電話ください
Please call this number whenever and wherever you think yourself(ves) secure.

  • 増田義基(サウンド・デザイナー)
  • 山本悠(イラストレーター)とU(U)
  • 佐藤朋子(アーティスト)
  • 20mシャトルラン
  • 岡嶋隆佑(博士(哲学))
  • 永田康祐(アーティスト)
  • 樋口恭介(SF作家)
  • 西村梨緒葉(美術家)
  • 岡千穂(音楽家)/エリック・サティ(作曲家)
  • 大道寺梨乃(俳優)
  • 関悦史(俳人)/日和下駄(朗読)
  • 坂本光太(チューバ奏者)
  • 大和田俊(アーティスト)
  • 石油ファンヒーター(家電)/砂山太一(建築家)
  • 三上春海(歌人
  • 角銅真実(音楽家
  • 大岩雄典(美術家 本展企画)

45分05秒

※5月11日に「ラジオ体操第一」同音源を取り下げ、以上のように再構成しました。この点について木野彩子氏また作家のみなさまに、ご迷惑をおかけした点陳謝いたします。
公開前日に、展示の趣旨と広報に関する意見の不一致から、予定していた木野氏の作品の展示中止を決定しました。その変更を承け、公開から5/11まで当該作品のモチーフであった「ラジオ体操第一」を一部に挿入していました。
しかし、「ラジオ体操第一」をどのように扱うか考え、作品制作していた木野氏にたいし、使用について事前の確認や合意がありませんでした。申し訳ありませんでした。当該の場所には、全体の内容を鑑み「20mシャトルラン」を置きました。あらためまして、木野氏また作家のみなさまに、ご迷惑をおかけした旨、陳謝いたします。

https://euskeoiwa.com/2020emergencycall/?fbclid=IwAR0eQLpq9Hvj3iaXm2FDJvNW8VakVqIq0maYMVV_Zyj6rbyROl6Zyzc_cnE

坂本光太さんの「うちで踊ろう」

https://twitter.com/Kota_WTTS/status/1247370233129533441

リンボウ先生とマッキントッシュ

 LISAで現在使っているコンピュータは、デスクトップ(据置型)が2台、ラップトップ(携帯用)が3台、全てNEC98シリーズです。ソフトウェアは、日本語ワードプロセッサーが「松」、英文ワードプロセッサーは「Word Star」、データベースソフトが「桐」、表計算ソフトが「ロータス1-2-3」、通信ソフトが「まいとーく」というのが主なところです。初めのうちは社内文書の作成にNEC文豪miniという日本語ワードプロセッサーをほんの少し使っていただけですが、仕事の内容が多岐に渡ってくるにつれ、ハードウェアもソフトウェアもだんだん豊富になりました。
 NECの98シリーズは国内シェアが抜群で、対応ソフトウェアも大変多く、しかもよくこなれています。私自身はコンピュータに関してはほとんど素人で、学生時代にFORTRANを少しかじった程度でした。ですからMS-DOSで動くNEC98のシステムはブラックボックスに近かったのですが、ソフトウェアをいろいろ使いこなすうちにだんだん仕組みがわかってきました。そうするとこのシステムの便利さがこの上なく快適に感じられ、最近はやってきたWINDOWSもまだそんなに魅力的には映りませんでした。
 ところが先日「余は如何にしてMAC教徒となりしか」という一文を読み、自分の考えが如何に井の中の蛙だったかを思い知ることになりました。著者は林望氏、エッセイストとして有名ですがLISAではやはり書誌学者として紹介したいところです。この文は林氏が「ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録」を刊行するに際し、どのようにしてマッキントッシュを使いこなすに至ったかを詳細に述べたものです。黴臭い古文書と格闘している書誌学者が最新のアップルコンピュータを使いこなしているということだけでも驚きですが、氏はなんとNEC98や松を痛快なまでにこきおろしているのです。
 氏曰く、「NECは文豪という馬鹿げた機械を設計し高い金で売りつける」、「MS-DOSときたら何も知らない者にとっては火星語のように不可解」、「NECは互換機つぶしの為DOSに極めて陰険なプロテクトを施している」、「松は英文入力を全くサポートしていないし、日本語のルビが半角の片仮名に限られている」エトセトラ。そして氏がたどりついた救世主が、マッキントッシュだったという訳です。英語と日本語が併記され、しかも大量のデータが記載されている目録の編纂を実践した氏の言葉だけに、相当な説得力がありました。
 もちろんコンピュータのハードウェアとソフトウェアは何が良いかということは、仕事の種類・データの量・利用の方法などにより千差万別であり、マッキントッシュが万能選手ではないことは確かです。しかしながら自分の仕事の最善の仕上りを求めて最新のシステムを追求していく林氏の真摯な態度には、少なからず学ぶものがありました。機会を見てマッキントッシュに触ってみようと思っているこの頃です。   (門倉百合子)

※この林氏の「余は如何にしてMAC教徒となりしか」という文章の入手方法は、氏の著書「ホルムヘッドの謎」に書かれています。

初出:『This is LISA』No.4(有限会社リサ、1993年7月15日)

『This is LISA』執筆録

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This is LISA No.1とNo.64
『This is LISA』は、有限会社リサ (1989-2005) が1992年から2005年まで発行していた社内報。

No. タイトル【号】発行年月日

  1. 「This is LISA」の創刊に当って【1】1992.10.05
  2. 「マリクレール」の話 (マガジン余話)【1】1992.10.05
  3. おふぃす あれこれ 〔1〕【1】1992.10.05
  4. 今月の“聞いて、聞いて!!!” 〔1〕【1】1992.10.05
  5. 見学会礼賛【2】1993.01.15
  6. 今月の“聞いて、聞いて!!!” 〔2〕【2】1993.01.15
  7. 美図連と酒井悌先生【3】1993.04.15
  8. マガジン余話 〔その2〕【3】1993.04.15
  9. リンボウ先生とマッキントッシュ【4】1993.07.15
  10. ベルリンの国立図書館【5】1993.10.15
  11. ベルリンの国立図書館利用案内 (抄訳)【5】1993.10.15
  12. 時空を越えて【6】1994.4.15
  13. 復刊!!【7】1997.09.15
  14. しごとのはなし 〔その1〕 NACSIS-CAT【7】1997.09.15
  15. 英国随想【7】1997.09.15
  16. 9年目!【8】1997.10.20
  17. 雑誌のはなし【8】1997.10.20
  18. アニーとアンジェラ【8】1997.10.20
  19. 気になるコラム (塩野七生、安川國雄)【8】1997.10.20
  20. 画家マチス【9】1997.11.15
  21. 気になるコラム (アウン・サン・スー・チー)【9】1997.11.15
  22. 気になるコラム (杉浦昭義)【10】1997.12.15
  23. あけましておめでとうございます【11】1998.01.15
  24. 『朝の読書』【12】1998.02.15
  25. 保育園のはなし【13】1998.03.15
  26. 今月の本:柳美里『水辺のゆりかご』角川書店1997【13】1998.03.15
  27. 藤原作弥さんの5冊の本【14】1998.04.15
  28. 気になるコラム (日垣隆「敢闘言」エコノミスト)【14】1998.04.15
  29. オーストリアの国歌【15】1998.05.15
  30. LISA日記【18】1998.09.15
  31. 新聞切り抜き (坂上弘)【18】1998.09.15
  32. 10年目を迎えて【19】1998.10.15
  33. オフィス3題【19】1998.10.15
  34. あけましておめでとうございます【21】1999.01.15
  35. 3枚の絵【22】1999.04.15
  36. 今月の本:乙武洋匡五体不満足講談社1998【22】1999.04.15
  37. 石井まり子さんのカフェ【22】1999.04.15
  38. (新聞切り抜き) (アルチンボルド、クラースゾーン)【24】1999.07.15
  39. 今月の本:「インターネットII-次世代への扉」村井純 岩波新571(1998年)【25】1999.08.15
  40. Webdingsというフォント【25】1999.08.15
  41. 三番瀬【26】1999.09.15
  42. 今月の本:アドヴェント・カレンダー【29】1999.12.15
  43. あけましておめでとうございます【30】2000.01.15
  44. 手島さんへの返事【31】2000.02.15
  45. 母の介護【33】2000.04.15
  46. 「小さな留学生」【34】2000.05.15
  47. 「やっと名医をつかまえた」【35】2000.06.15
  48. 再び母がやってきた【37】2000.08.15
  49. 夏の読書日記【38】2000.09.15
  50. ドイツの友人【39】2000.10.15
  51. フレディ【41】2000.12.15
  52. 21世紀の始めに――オデュッセイアをめぐって――【42】2001.01.15
  53. ダボス会議【43】2001.02.15
  54. 新聞2題【44】2001.04.15
  55. (記事紹介) (菅谷明子)【45】2001.06.15
  56. パピルスが来た【46】2001.08.15
  57. 夏の読書日記2001【47】2001.09.15
  58. 少年院に行きました【48】2001.10.15
  59. (図書紹介) (「図書館運動は何を残したか」)【50】2002.01.15
  60. (新聞切り抜き)(社史に凝縮 夢と希望 / 村橋勝子)【51】2002.02.15
  61. 「ヴィーナスはぁと」【52】2002.03.15
  62. (記事紹介)(黒沼ユリ子)【54】2002.05.15
  63. 函館旅情【56】2002.08.15
  64. (新聞切り抜き)(「ゲルニカラグア」)【56】2002.08.15
  65. 手話講座【57】2002.10.15
  66. 教文館「子どもの本の新刊コーナー」【57】2002.10.15
  67. 京都郷愁旅行【59】2003.04.15
  68. 嗚呼、甲子園!!!【63】2003.08.15
  69. 渋沢史料館との出会い【64】2005.03.31
  70. 三つの図書館【64】2005.03.31

1974年ベルリン

上智大学管弦楽団は1974年9月に、西ドイツのボンとベルリンで演奏会を行った。これは前年秋に来日した指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが、大学祭の折に上智大オケの練習場を訪れ、半時間ほどリハーサルをしてくれたのがきっかけだった。カラヤンが主宰するカラヤン財団では毎年ベルリンで青少年音楽祭を開催していて、各国の学生オーケストラが招かれ演奏を披露していた。その音楽祭に招待された、という訳である。

演奏する曲目は、課題曲からウェーバーの『魔弾の射手』序曲と、自由曲としてブラームスの『交響曲第4番』が選ばれた。日本人の作品もやろうと、武満徹『弦楽のためのレクイエム』も加わった。6月の定期演奏会で一通り本番をやり、夏合宿も経ていよいよ9月にボンへ向かった。

上智大学カトリックの大学であり、イエズス会のドイツ・ケルン司教区から多大な援助を受けていた。そこでドイツに演奏旅行を行うのであれば、ぜひケルンでも演奏をしたいと、当時のヨゼフ・ピタウ理事長に直談判にうかがった。すると早速様々な手配をしてくださり、ケルンの隣ボンにあるイエズス会ギムナジウム(高等学校)での公演が決まった。ボンに到着したメンバーはギムナジウムの寮に一泊し、翌日講堂での演奏会に臨んだ。そして翌朝、次の目的地ベルリンへバスで移動した。

恐らく予算の関係で空路でなく陸路になったのだと思うが、ボンから西ベルリンにバスで行くには、東ドイツ領内を横切らなくてはならない。国境では当然東ドイツの役人のチェックを受けることになる。当時私は1972年発行のパスポートを持参していて、そこには「この旅券は、北朝鮮中華人民共和国北ベトナム東ドイツを除くすべての国と地域で有効である」と英語で書かれていた。このうち北朝鮮以外はその後国交が開かれたが、私のパスポートはそのままだった。従って国境で何か言われたら大変と、ものすごく緊張したのを覚えている。幸い時間はかかったものの何事もなく通過することができ、ほっとした。東ドイツ領内はバスはノンストップでかなりの距離を飛ばし、無事西ベルリンについた。

ベルリンの壁ができたのは1961年8月。1974年当時は冷戦の真っただ中で、陸の孤島の西ベルリンは文化が爛熟し、いくらか退廃のにおいも感じられた。青少年音楽祭の期間中10日ほどの滞在だったが、東京とは全く違う空気を肌で感じたものだ。演奏会は無事終わり、自由な時間がやっとできたので、私は西ベルリンの日本領事館を訪れ、パスポートの記述を訂正してもらった。従前の記述を黒マジックで消して領事館のエンボス印が押され、その下に「This paspport is valid for All Countries and Areas Except North Korea.」というハンコが押された。忘れられない瞬間だった。
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2020宇都宮~真岡鐵道の旅

2020年2月29日(土)
7:20 出発
7:41 秋葉原 (10㎞)
    下谷 国道4号線日光街道
7:52 三ノ輪 (14㎞)
    上りは渋滞している
8:02 梅島陸橋 (19.7㎞)
9:00 春日部市神明 (50㎞)
9:14 利根川通過 (61.4㎞)
9:30 小山市横倉 (80.3㎞)
    山が見える
9:54 宇都宮市に入る (108.4㎞)
9:58 宇都宮市石井交差点 (112.5㎞)
10:19 栃木県立美術館 (120.2㎞)

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栃木県立美術館
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山田耕筰と美術」展
12:02 同館出発
     鬼怒川を超える
12:27 鐺山(こてやま)曲がる (130.5㎞)
     野焼き、筑波山見える
13:04 下館 (158.3㎞)
13:30 黒子 (166.9㎞) 車を駐車場へ
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関東鉄道常総線黒子駅
13:45 黒子発 関東鉄道常総線
13:54 下館着
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下館駅
14:31 下館発 真岡鐵道
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真岡鐵道
14:55 真岡着
     SLキューロク館、D51など。C1266がやってくる
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乗車したSL、C12
15:28 真岡発 真岡鐵道SL
15:56 下館着
16:09 下館発 関東鉄道常総線
16:15 黒子着 駐車場で車に再び乗る
16:20 黒子発
     県道から国道294号へ。筑波山。野焼きの畑。
17:00 谷和原から高速 (199.7㎞)
17:05 守谷PA着 (204.4㎞)
     野菜など買い物
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守谷PAで買った地元の野菜
17:28 守谷PA出発
18:17 芝公園で高速降りる (246.3㎞)
18:28 帰宅 (249.6㎞)

「水害への備えおよび対処方法について」をききました

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 国文学研究資料館准教授の青木睦さんが話されるというので、出かけてきました。
 昨年の台風19号被害のレスキューの話と思いきや、まず「保存計画における具体的保存対策フローチャート」から話を起こされ、目の前の事象への対処だけでなく保存業務全体の中での位置づけを把握することの大切さを強調されました。
 続いてこれまで各所で活動され話されてきたことを材料に、災害が起こる前から立てておくタイムライン(防災行動計画)、いざ起こった時の対処法、海外の事例、国内の事例など盛りだくさんの内容を提示してくださいました。
 質疑応答でも、ブルーシートを常備すること、除湿器よりも工場用の大型扇風機が役立つこと、今どきの新聞紙は吸水力が弱いのでペットシーツが役立つことなど、具体的な回答に納得することばかりでした。またレスキュー体制を整えることの大切さも繰り返しおっしゃり、何回もの実習より1回のレスキュー体験が役立つ、と強調されました。
 その後、台風19号で被災した一橋大学図書館と東北大学図書館の参加者から状況説明があり、共に屋上の排水溝に落葉がつまり屋上がプール状になり、その水が下に落ちて図書館の水漏れ災害となったとのこと。一応の復旧はしたが、現在は冬の乾燥期なので、これから来る梅雨と夏季に備えて資料の状況を注意深く観察していくとのお話でした。

 青木さんには2008年のアーカイブズカレッジ短期コースでお世話になって以来、いろいろな機会にお話を伺い勉強させていただいてます。2015年の常総市豪雨の時もレスキューに入られていたので、その後の復旧活動に一度ボランティア参加しました。またバチカンのマレガ・プロジェクトでも主要な役割を担ってらっしゃるのも、心強く遠くから応援させていただいてます。私にできるのはこうしてブログに書くくらいですが、青木さんの活動を、また国文学研究資料館の活動を広く知っていただければと思います。