公益財団法人東京子ども図書館が設立50周年を迎え、機関誌『こどもとしょかん』181号に理事長張替惠子さんの評論「まだ夢をみることができるか」が載りました。概要をメモしておきます。
まだ夢をみることができるか:東京子ども図書館の「これまで」と「これから」 / 理事長 張替惠子
東京子ども図書館、2024年4月
『こどもとしょかん』第181号、p2-19
目次:
- 50周年を迎えて
- 子ども図書館誕生を促したもの(土屋滋子、石井桃子、松岡享子らの文庫活動)
- 財団法人東京子ども図書館の誕生(1974年1月、「お話」を活動の中心に出発)
- その後の歩み(人材育成事業、1997年新館完成、おばあさんのいす、3.11からの出発、理事長交代、児童図書館基本蔵書目録3巻完成)
- 数字で見る50年:蔵書/人材育成/出版/広報/財政/人事
- 私たちを取り巻く状況の変化(児童図書館員の立場の脆弱さ、デジタル化の波)
- 設立時の夢はいま……(夢を共有する全国の仲間、子どもが本に目を輝かせる瞬間、50周年事業)
- 「東京子ども図書館のあゆみ」(年表)
~~みなさまの気持ちに触れるたびに、松岡さんが常日頃おっしゃっていた「本当に子どもと本を大切に思う人たちが社会のある地層を成していて、その人たちに支えられて東京子ども図書館が存在させられている」ということばを噛みしめています。
閉塞感が広がる社会で追い立てられるような生活を送る子どもたちですが、それでも、語られるお話に身を乗り出し、面白い絵本や物語に目を輝かせる瞬間に、私たちが立ち会うことで勇気をもらっています。世の中がどんなに変わろうと、子どもたちが楽しみのうちに本と出会い、本を、自分を育てる手立てとして、生涯活用できるようにと願う気持ちは、いまも変わりません。夢をみなくなるのは、その夢が叶ったときか、あるいは、それをあきらめたとき。いまはまだ、そのどちらでもない。小さな私立図書館が、これまでしてきたことを土台に、これからどのようなこうができるでしょう?(p17-18)
- 東京子ども図書館ウェブサイト: https://www.tcl.or.jp/