Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

今年のお節

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一の重:栗きんとん、黒豆、伊達巻、蒲鉾、昆布巻き、たたきごぼう
二の重:酢だこ、紅白なます、カリフラワーとブロッコリーの酢の物 
三の重:お煮しめ(里芋、手綱こんにゃく、ゴボウ、京人参、レンコン、干しシイタケ、きぬさや、高野豆腐)

 家族はもうお節料理などあまり楽しみにしていないのですが、一昨年姉の近くに越してきてから、一人暮らしの姉のところに重箱に詰めて届けるようになりました。昨日朝からお煮しめと酢の物を作りました。口取りはたたきごぼう以外は市販品です。母は煮物の他にも黒豆や昆布巻きなど作っていましたが、私はせいぜい煮しめくらいです。それでもこうして年に一度お節を準備していると母の姿を思い出します。同時に野菜の卸売を仕事にしていた父のことも思い出します。父は隣の魚市場からマグロやタコも買ってきて正月に皆でいただきました。

煮〆して父母想う大晦日

築地市場見学記

f:id:lucyblog:20141222110050j:plain 12月22日月曜に築地の市場へ初めて行った。地下鉄大江戸線築地市場駅を出ると、すぐに築地市場正門がある。トラックが出入りする大きな入口。午前11時だったので中へ行く人よりも仕事を終えて出てくる人の方が多い感じだった。入り口に置かれた地図と注意書きのパンフには「ここで行われていることは、ショーではなく、ビジネスです。皆さんは、ここで働いている人たちを尊重し、彼らのビジネスの支障にならないようにしてください。」と日本語、英語、ロシア語、中国語、韓国語で書かれていた。朝9時からは一般の人も見学に入れるとのこと。
 早速中へ入り、まず野菜の市場へ行く。築地は魚だけで野菜は大田市場へ移ったと思い込んでいたが、野菜の市場もちゃんとあった。見学できるのは「青果仲卸業者売場」のコーナーで、何十軒もの仲卸業者が店を広げていた。ここへ小売業者、つまり町の八百屋さんが買い付けに来るのだ。もう取引の時間は過ぎているのか、見学の人たちと行き違う。おばさんが多い。中国語も聞こえる。アメリカ人らしき親子連れもいた。荷物を運ぶ電動の小型車がひっきりなしに行き交う。市場の人たちは皆見学者に優しい。
 魚市場の方へも行く。こちらも入れるのは「水産仲卸業者売場」のみ。青果より3~4倍広い敷地に業者が並んでいる。水で道路を洗っているのか路面は水浸し。見学者も購入できるらしく、新鮮な水産物がたくさんならんでいた。値段は特に安いわけではない。
 f:id:lucyblog:20141222120411j:plain 一通り見たところで隣の「魚がし横丁」へ移動。こちらは市場で働く人たちのための飲食店がずらりと並んでいて、見学者もたくさん行列を作っていた。長い列はどこも魚介の店で、列が無いのはトンカツ屋。そこへ入ってアジフライ定食を食べた。場外市場ものぞいてみたら、年末の買い出し客でごったがえしていた。
 帰ってからネットであれこれ調べてみると、東京都中央卸売市場には全部で11の市場があり、築地と大田の他にも北足立、足立、板橋、豊島、淀橋、葛西、世田谷、多摩ニュータウン、そして食肉の市場があることがわかった。大田市場の青果は秋葉原にあった旧神田市場が移転したのだった。築地の豊洲移転についても情報が載っていた。
 
東京都中央卸売市場>見学のご案内
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/kengaku/

 

お祝い

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 今日は長男が婚姻届を出す日だった。今どきの若者は結婚式などしないらしい。しょうがないなあと思ったが、口出しすることもあるまいとだまっていた。セレモニーがないと感激も薄いものだ。3年前から家を出て別に住んでいるから、今日は顔を見ることもない。
 ところが、朝9時過ぎに「いま婚姻届を出してきました!」と長男からFacebookのメッセージがきたら、思わずメガネがくもってしまった。やはり感慨深いものがある。SNSで連絡とは全く今風だ。といって特別にやることもないので、花屋へ行ってミニシクラメンの鉢植えを買ってきてプランタに移してみた。ささやかなお祝い。

オランダの話

 Forsightを開いてみたら、西川恵さんの記事が飛び込んできました。

オランダ新国王も引き継いだ「日蘭」恩讐を越える道
饗宴外交の舞台裏(197)
オランダ新国王も引き継いだ「日蘭」恩讐を越える道|Foresight(フォーサイト)|会員制国際情報サイト

 第二次大戦中のインドネシアの話、心に刻んでおきたいと思います。

中川ひろたかの本

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 子どもの歌のシンガー・ソングライター中川ひろたかさんの本。

『中川ひろたかグラフィティ:歌・子ども・絵本の25年』(旬報社、2003)
『ピーマンBOX:中川ひろたか博覧会』講談社、2007)

 最初の本は自伝的エッセー。本の間に2003年6月5日の東京新聞の記事コピーがはさんであったので、それで知って買ったのでしょう。保父を手始めに子どものための歌を書きバンドで歌い、絵本も書き、全国をツアーしている中川さん。私の大学サークルの後輩でしたが、その後は音信不通。2007年に出た『ピーマンBOX』を入手したのをきっかけに、鎌倉文学館の彼の展示を見学、近くでご本人がやっているSong Book Cafeを訪問し、何十年かぶりに再会!
 『グラフィティ』には二カ所に付箋が貼ってありました。まずは「カラヤン」。

カラヤン
 (前略)
 大学もオーケストラ部に入った。そこでもホルン。その年の定期演奏会は、ベートーベンの「第九」。ぼくは、一年生。下手だったので演奏はさせてもらえず、合唱にまわされた。毎日毎日、その定期演奏会のための練習がつづく。そんな折、あのカラヤンが、ベルリンフィルを従えて日本にやってきたのだった。
 (中略)
 その、カラヤンが来るという日、ぼくたちは、二時間以上も前から集まって「第九」の第一楽章の練習をしていた。ぼくと荻迫くん、二人の一年生ホルン吹きは合唱担当だったので、出席することもなかったのだが、一応ホルンのパートは四人になっているし、(ベートーベンが、決めたのね)いないのは、みっともない。アタマ数だけでもそろえておこう。どうせ第一楽章には、三番、四番は出番はないし、ただ座っていればいいからと先輩に言われて、三番の席に荻迫、四番の席にぼくが、それぞれちんまり座っていると、やってきました。カラヤンだぁ。かっこいいんだぁ。後光がさしているんですよ。ウッヒョーってな感じなわけ。
 うちの指揮者があがってる。唇が乾くのか、ずっと舌なめずりしている。その指揮者から指揮棒を受け取るとカラヤンさん、指を三本立てた。「なぬー!三楽章!」やばいなんてもんじゃない。第三楽章には、なぜだか四番ホルンにものすごい長いソロがあるのだ。(ベートーベンが、決めたのね)。それはそれは美しく、ホルン吹きだったら一度はやってみたいとこ。それを、このぼくが、しかもカラヤンの前で、初見で吹かなければならないなんて。あわわとふるえていると、一番ホルンの安部さんはやおら振り返り、自分の一番の譜面とぼくの四番の譜面を、さっと差し替えた。安部さんは当時の大学オーケストラでは、最高のホルン吹きと言われた人。彼なんかこそ、カラヤンを聴いて育った人なわけだ。ここで、朗々と美しくホルンを演奏すれば、もしかしたら、終わったあと、あ、あのホルンの人、ベルリンフィルに来てもらいます、なんてことになるかもしれない。聞いてないけど、きっとそう思ったはず。
 (後略)(p27-32)

 結局カラヤンは三楽章の冒頭数小節を指揮しただけで終わり、ホルンのソロの出番はありませんでした。しかし私たちは翌1974年ベルリンで開催の青少年オーケストラ音楽祭に招待されたのでした。
 続いて「谷川さん」と題した谷川俊太郎の章にも付箋。これは大学中退までのいきさつから始まって、谷川俊太郎のサイン会へ行ったこと、谷川の住んでいる阿佐ヶ谷へ引っ越したことなどが縷々綴ってありました。家を出るいきさつが傑作。

 むくむくと自立の心がもたげてきた。そして、決意した。大学は辞める。そして、家を出ようと。
 一度思うと、いても立ってもいられないのはこの頃から一緒で、それを両親にうち明けた。そうしたら、父親は「家を出るのはいいが、学校はつづけろ」、母親は「学校は辞めてもいいが、家にいなさい」と言った。ぼくは二人の言うことを聞いて、学校を辞めて家を出た。(p55)

SONG BOOK Cafe http://www.songbookcafe.com/

鎌倉文学館 平成19年度の展覧会
http://www.kamakurabungaku.com/exhibition/h_19.html

イスラムについての本

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 本日8月24日(日)日本経済新聞読書欄コラム「今を読み解く」は、「溶解始まる中東の秩序:歴史探る深い思索必要」と題して次の書籍を紹介していた。中東で現在進行中の変化をとらえ、「こうした時代の根幹を揺るがすような動きを理解するために求められているのは、深い思索に支えられた大きな知の枠組みであろう。これほどの大きな時代の変化をとらえるには、それに負けないほどの大きな知的な座標がいる」としている。

ユージン・ローガン『アラブ500年史』上・下(白須英子訳、白水社、2013)
山内昌之『中東国際関係史研究』岩波書店、2013)
小杉泰『9・11以後のイスラーム政治』岩波書店、2014)
内藤正典編著イスラーム世界の挫折と再生』明石書店、2014)

 学生時代にひょんなことからトルコ語を選択して半年ほど基礎を習い、イスラムの価値観の一端に触れたことがある。その後は特に縁がなかったが、教文館で中学生向けの本のお奨めを聞いて紹介された野町和嘉『メッカ:聖地の素顔』(カラー版岩波新書、2002)にはすっかり引き込まれてしまった。また今月の日本経済新聞私の履歴書」は東大寺長老の森本公誠氏だが、京都大学イスラム史を専攻し、エジプトに留学してエジプト税制史で博士論文を書かれた。そのような知性が東大寺におられることに驚嘆した。今日あげられた上記の本も機会があったら手にしてみたいと思う。

河合隼雄、柳田邦男、松居直の本

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 心理学者河合隼雄の本は、子どもたちが小さかった頃あれこれと読みました。岩波新書の『子どもの宇宙』は特に印象深く、「子どもと秘密」の章から『クローディアの秘密』を知り、世界が広がりました。子どもの頃読みたかったとつくづく思い、近くの中学での読み聞かせの時間に何回か紹介したものです。
 こうしてみると岩波の本が多いことに気づきました。石井桃子さんのことを想起します。なお柳田邦男の『犠牲(サクリファイス):わが息子・脳死の11日』は手元にないですが、1995年出版後すぐ読んだことをよく覚えています。

河合隼雄『子どもの宇宙』(岩波新書、1987)
河合隼雄『子どもと自然』(岩波新書、1990)
河合隼雄『子どもと学校』(岩波新書、1992)
河合隼雄、松居直、柳田邦男『絵本の力』(岩波書店、2001)
柳田邦男『砂漠でみつけた一冊の絵本』(岩波書店、2004)
松居直『松居直のすすめる50の絵本:大人のための絵本入門』(教文館、2008)

カニグズバーグ『クローディアの秘密』(松永ふみ子訳、岩波書店、1969) http://www.ehonnavi.net/ehon/18230/%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E5%B0%91%E5%B9%B4%E6%96%87%E5%BA%AB%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86/

カニグズバーグの作品から
『ジョコンダ夫人の肖像』(松永ふみ子訳、岩波書店、1975)https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/5/1106820.html

関連して心に残った本
フィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』(高杉一郎訳、岩波書店、1967) http://www.ehonnavi.net/ehon/30802/%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E5%B0%91%E5%B9%B4%E6%96%87%E5%BA%AB41%E3%83%88%E3%83%A0%E3%81%AF%E7%9C%9F%E5%A4%9C%E4%B8%AD%E3%81%AE%E5%BA%AD%E3%81%A7/