Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

米原万里の本

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 ロシア語同時通訳者として名を馳せた米原万里(よねはら・まり、1950-2006)の本は何冊か読みましたが、手元にあったのは次の2冊。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店、2001)
『打ちのめされるようなすごい本』(文芸春秋、2006)

 真っ赤な表紙のアーニャの本は、著者が1960年から5年間通っていた在プラハソビエト学校の同級生3人の話。激動の東欧をめぐる内容は勿論、とにかく筆の力のものすごさに感動したのを覚えています。ソ連崩壊の時期を含め最前線の通訳として活躍、また多くの著作を残して亡くなった著者の、読書日記と全書評をまとめたのが文芸春秋の本。付箋を貼ったものからいくつかメモしておきます。

丸谷才一『輝く日の宮』(講談社講談社文庫)
・ヘルガ・シュナイダー『黙って行かせて』(新潮社)
・吉岡忍『奇跡を起こした村のはなし』(ちくまプリマ―新書)
筒井功『漂白の民サンカを追って』(現代書館
・ヒュー・マイルズ『アルジャジーラ 報道の戦争』(光文社)
佐藤優国家の罠』(新潮社)
・張平『十面埋伏』(新風社)

 昔ジャーナリスト千葉敦子(1940-1987)の本をずいぶん読みましたが、それに通じるエネルギーを感じました。しかし千葉さんは英語、米原さんはロシア語が武器で、言語の様相と人柄の様相がリンクしている気がします。