2月に開催された坂本光太さんのチューバリサイタル、昼夜2公演のうち14時のほうに足を運びました。18世紀から21世紀まで各世紀の作品を4曲とりあげた意欲的なプログラムです。もっとも坂本さんによると現在のチューバという楽器が演奏会で活躍するようになったのは20世紀後半であり、それより前の作品である第1曲はもともとホルンのため、第2曲はヴァイオリンのための曲でした。第3曲に至って初めてチューバのための作品が登場したのです。そして第4曲はこの日のための委嘱作品。
各曲の演奏の前に坂本さんが曲目の解説を話してくださったので、それぞれの成り立ちや特徴がよくわかりました。ピアノと息の合った演奏は入念なリハーサルの成果がうかがわれ、快く楽しむことができました。第4曲目は坂本さんが足にベルを取付け、演奏しながらベルの音を出し、また自身で楽譜に書かれたセリフを語ります。目と耳がステージにくぎ付けとなり、豊かな時間が流れました。
チューバで聞く音楽の4世紀:坂本光太ソロリサイタル
くにたちデビュー・コンサート vol.14
2022年2月26日(土)14:00/17:00
くにたち市民芸術小ホール
■プログラム
- L.v.ベートーヴェン:ホルン・ソナタ Op.17
Ludwig van Beethoven (1770-1827): Horn-Sonate (1800) - クララ・ヴィーク=シューマン:3つのロマンス Op.22 ヴァイオリンとピアノのため
Clara Wieck-Schumann (1819-1896): Drei Romanzen (1853) - ジェニファー・グラス:ソナティナ:チューバとピアノのための
Jennifer Glass (b. 1944): Sonatina (1963) - 久保田翠:あるチューバについての物語
Midori Kubota: A Story about a Tuba (2021)
■出演
- 坂本光太(Tuba)
- 杉山萌嘉(Piano)
■スタッフ
■主催者ウェブサイト
https://kuzaidan.or.jp/hall/debut14-tuba/
(坂本さんによる曲目解説の動画付きです)