Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

根来加奈ソプラノコンサート「the をんな」

f:id:lucyblog:20220102213319j:plain
根来加奈ソプラノコンサート

ソプラノ根来加奈さんのコンサート、当日は聴けなかったので配信チケットを購入して本日視聴しました。前半の日本歌曲は進行役の小野百音さんによる曲目紹介の後、根来さんが和服で登場。4曲それぞれに情感豊かに歌い上げられました。3曲目の『髪』は中田喜直(1923-2000)の『マチネ・ポエティクによる四つの歌曲』の第3曲で、1950年作曲。師である橋本國彦(1904-1949)の『笛吹女』(1928)を彷彿させる音楽でした。4曲目はその橋本の『舞』(1929)で、詩は深尾須磨子が1924年に『黴』『斑猫』とともに発表した口語自由詩形の作品。橋本は3作品すべてに作曲していて、『舞』は娘道成寺がテーマの曲。
書道パフォーマンスでは『髪』の時に「艶」、『舞』の時に「執念」と書かれ、いずれも演奏に華を添えていました。
後半はメノッティ(1911-2007)のオペラ・ブッファ『電話』(1946)。根来さんはニューヨークの女性の衣装で登場、結婚を申し込もうとする男性の目の前で絶えずかかってくる電話の応対に追われる役を見事に演じてらっしゃいました。男性役の小林優さん、ピアノの芦沢真理さんも好演でした。
アンコールはレハールのメリーウィドーから二重唱。最後までよく磨かれメリハリの利いた舞台を楽しみました。

~unit K コンサートシリーズVol.66~
根來加奈ソプラノコンサート 
「the をんな」~日本vs外国・女心はどう変わる?~

日本歌曲with書道パフォーマンス&バリトンと共にオペラ「電話」

■2021年12月25日(土)13:00開演 大泉学園ゆめりあホール
■出演:ソプラノ:根來加奈、ピアノ:芦沢真理、バリトン:小林優※※、書道パフォーマー:北村多加※、舞台女優:小野百音 
■プログラム

https://bit.ly/3qI5cuU

参考文献

  • 逆井尚子『深尾須磨子:女の近代をうたう』ドメス出版、2002年