Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

ウィキペディア20年イベント参加記

Wikipedia 20 Japan

1月23日は朝からウィキペディア20年イベントにZoomで参加しました。この企画は、インターネットフリー百科事典「ウィキペディア」が2001年に設立されて20年を祝うイベントで、有志からなるWikipedia 20 JAPAN実行委員会による開催です。

オープニングトークはウィキデータでお世話になっている東修作さん。ウィキペディア20年の歩みをご自身の足跡と併せ、世界全体の傾向と日本の特徴など統計データも使ってわかりやすく話してくださいました。現在の社会の中でのWikipediaの位置づけを様々な視点から考えることができました。

次は日本語版Wikipediaの黎明期を担った3人の若者の話。当時中学生の人もいて、最初の10年に何が起こったのか活き活きと伝わってきました。3人とも単なるITオタクと思いきや、それぞれのまっとうな取り組み方に感動しました。

大学の話では、ベテラン北村紗衣さんのおられる大学のような対応はまだまだ少ないことがよくわかりましたが、学生も教職員もぜひWikipedia編集経験をつんでほしいとつくづく思います。特に大学図書館員には強く希望します。

午後はまず「棚から一掴み」で本の紹介でしたが、ここでは逃亡者さん推奨の『収容所から来た遺書』が圧巻でした。1989年に文藝春秋から出版された当時ずいぶん話題になったので気にはなったものの、手に取ることなく過ごしていたのが悔やまれました。もっとも私が戦争関連の事項に関心を強く持つようになったのは1999年に岩野裕一『王道楽土の交響楽』を読んでからなので、物事にはふさわしい時期があるものです。文庫にもなっているし俳句のことも話題なので、今度是非読もうと思います。

続いて「秀逸な記事」の紹介では、白菜の記事、金星の記事、トンネルの記事、どれも知らなかったことばかりで印象に残りました。それぞれのウィキペディアンの方々の執筆姿勢も伝わってきて興味深かったです。

最後は「ウィキペディアタウンサミット 2021」。各地での実践報告があり高久雅生さんの的確なコメントで状況がより詳しくわかりました。残念ながら時間切れで途中退出しましたが、ウィキペディアタウンの取り組みが全国に広がっているのは嬉しい限りです。

このイベントに参加して感じたのは、Wikipediaに対しては「悪しきもの」にしようという力より「良きもの」にしようとする力のほうが強いのだ、という印象でした。この印象を実態と結び付けてこれからも記事を書いていきたいと考えています。

ウィキペディア20年イベント

司会:中俣保志(香川短期大学

  • 09:50 オンライン会場 開場
  • 10:00 オープニングセレモニー
  • 10:10 オープニングトーク「知識情報基盤としてのウィキペディア」 / 東修作(オープン・ナレッジ・ジャパン): ウィキペディアの地位は、この20年で大きくアップグレードされた。知識情報基盤としてのウィキペディアとネット世界は、どう変化していくのか。「オープンデータと市民協働」からウィキペディアを捉える。
  • 10:30 そもそもウィキペディア20年、何が起きたの / Suisui・kzhr・青子守歌(資料)
  • 11:00 大学の人がウィキペディアを編集してみたらどうなるの / 北村紗衣(武蔵大学)・伊藤陽寿(至誠館大学)・早稲田Wikipedianサークル
  • 昼食休憩・交流時間
  • 13:00 ウィキペディアンが「棚から一掴み」してみたら 2021 / 進行:のりまき(ウィキペディア日本語版), 登壇者:Mayonaka no osanpo・逃亡者・のりまき
  • 13:50 この人が選ぶ、秀逸な記事 / 進行:のりまき(ウィキペディア日本語版), 登壇者:Swanee・アリオト・さかおり
  • 14:50 ウィキペディアタウンサミット 2021 / 進行:下吹越香菜(アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg))、解説:高久雅生(筑波大学), 発表者:小澤多美子(長野県教育委員会)・小松晶子(神奈川県立図書館)・澤谷晃子(大阪市立中央図書館)・伊達深雪(京都府高等学校)・諸田和幸(伊那市地域おこし協力隊); テーブルディスカッション「2021年からのウィキペディアタウン」
  • 16:50 クロージングセレモニー

■参考