高橋アキ・ピアノリサイタル 2020
2020年11月12日19時 豊洲シビックセンターホール
今年もまた高橋アキさんのリサイタルを聴きました。前半はシューベルトをたっぷり。そして後半は現代の作品で、アキさんがマイクを持って曲の解説を一言ずつお話しくださいました。後半の作曲家たちそれぞれとの豊かな交友が浮かび上がるお話でした。ピーター・ガーランドの2曲目は作曲家テリー・ライリーに捧げられていて、会場にライリーさんがみえていました。バニータ・マーカスの曲はジョン・ケージのCageの音「C-A-G-E」をモチーフに作られていて、途中で「B」も聞こえるのはバニータのBかもしれないとのこと。続くジョン・ケージの2曲はエリック・サティの「スポーツと気晴らし」(1914)から2曲をケージがアレンジしたもの。最後のクセナキスもアキさんは長年演奏を重ねてこられたそうで、ギリシャの空気感が伝わって来るようでした。
アンコールの1曲目は、谷川俊太郎の詩に武満徹が作曲した『死んだ男の残したものは』の、伴奏部分。武満夫妻とアキさんとの長年の素敵なお付き合いが目に浮かぶようでした。そして2曲目はサティのジュ・トゥ・ヴー。アキさんにとって自家薬籠中のサティを堪能させていただきました。ロビーでは最新CDが先行発売されていたので、1枚購入。「高橋アキ プレイズ エリック・サティ4」と題したCDには、連弾を含むサティのピアノ作品が入っていて、ライナー・ノーツは秋山邦晴となっていました。
プログラム:
1. フランツ・シューベルト:4つの即興曲 作品142 D935 (1827)
Franz Schubert(1797-1828) : Vier Impromptus Opus posth. 142 D935 (1827)
1. Allegro moderato f-moll
2. Allegretto As-dur
3. Andante B-dur
4. Allegro scherzando f-moll
2. ピーター・ガーランド:発光 (疫病の年からのメモ) (2020) 委嘱初演
Peter Garland(1952-) : Radiance (Notes from a Plague Year) (2020)The commission premiere
1. 死者を数えて(近ごろ亡くなった数人の音楽家の友人たちへ)
2.あわれみ(テリー・ライリーのために音楽的挨拶)
3.発光(見返り阿弥陀)(高橋アキに)
3. 八村義夫:インティメイト・ピーセス Op.11 (1974)
Yoshio Hachimura(1938-1985):Intimate pieces Op.11 (1974)
(第1曲はエドガー・アラン・ポ―の詩「大鴉」の最終聯を低声でつぶやいてから始めるとの指定どおりに行われた)
(第3曲目:連弾/共演:佐藤祐介)
4. バニータ・マーカス : 角砂糖 ージョン・ケージに (1996)
Bunita Marcus(1952-):Suger cubes - To John Cage (1996)
5. ジョン・ケージ:スウィンギング (1989)
John Cage(1912-1992):Swinging(1989)
6. ジョン・ケージ:果てしないタンゴ (1984)
John Cage:SPerpetual Tango (1984)
7. ヤニス・クセナキス:ピアノのための6つの歌 (1951)
Iannis Xenakis(1922-2001) : Six hansons pour piano (1951)
1.麝香の香り…
2.かつての私の恋人…
3.山から降りてきた1羽のシャコ…
4.3人のクレタ島の僧侶…
5.今日の空は暗い…
6.スースタ、ダンス…
主催:カメラータ・トウキョウ http://www.camerata.co.jp
アキさんのご友人である梶野聡さんがFacebookにすばらしいコメントを寄せてらっしゃるので、メモ。
https://www.facebook.com/satoshi.kajino.96/posts/2112699018866961