Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

「水害への備えおよび対処方法について」をききました

f:id:lucyblog:20200209155002j:plain
 国文学研究資料館准教授の青木睦さんが話されるというので、出かけてきました。
 昨年の台風19号被害のレスキューの話と思いきや、まず「保存計画における具体的保存対策フローチャート」から話を起こされ、目の前の事象への対処だけでなく保存業務全体の中での位置づけを把握することの大切さを強調されました。
 続いてこれまで各所で活動され話されてきたことを材料に、災害が起こる前から立てておくタイムライン(防災行動計画)、いざ起こった時の対処法、海外の事例、国内の事例など盛りだくさんの内容を提示してくださいました。
 質疑応答でも、ブルーシートを常備すること、除湿器よりも工場用の大型扇風機が役立つこと、今どきの新聞紙は吸水力が弱いのでペットシーツが役立つことなど、具体的な回答に納得することばかりでした。またレスキュー体制を整えることの大切さも繰り返しおっしゃり、何回もの実習より1回のレスキュー体験が役立つ、と強調されました。
 その後、台風19号で被災した一橋大学図書館と東北大学図書館の参加者から状況説明があり、共に屋上の排水溝に落葉がつまり屋上がプール状になり、その水が下に落ちて図書館の水漏れ災害となったとのこと。一応の復旧はしたが、現在は冬の乾燥期なので、これから来る梅雨と夏季に備えて資料の状況を注意深く観察していくとのお話でした。

 青木さんには2008年のアーカイブズカレッジ短期コースでお世話になって以来、いろいろな機会にお話を伺い勉強させていただいてます。2015年の常総市豪雨の時もレスキューに入られていたので、その後の復旧活動に一度ボランティア参加しました。またバチカンのマレガ・プロジェクトでも主要な役割を担ってらっしゃるのも、心強く遠くから応援させていただいてます。私にできるのはこうしてブログに書くくらいですが、青木さんの活動を、また国文学研究資料館の活動を広く知っていただければと思います。