Kadoさんのブログ

日々のあれこれを綴ります

ベートーヴェン『交響曲第九番』演奏歴

 第九は何回か演奏したことがあります。最初は1973年12月、上智大学管弦楽団第20回演奏会でした。本番前の11月の大学祭の時、来日中のマエストロ・フォン・カラヤンが練習場に現れました。メンバーのチェリストK嬢が単独交渉して実現した出来事でした。マエストロは第九の第三楽章の指導をしてくださいました。緊張の中で流れた世にも美しい三楽章、特に出だしの木管アンサンブルはまさに天上に登る音楽でした。この時の縁でオーケストラは翌年ドイツへ演奏旅行し、ボンとベルリンで舞台に立ちました。
 1977年に入団した新交響楽団では、芥川也寸志先生の指揮で何度か第九を演奏しました。1983年6月の第100回演奏会では、芥川先生の『交響管弦楽の為の音楽』と組んだプログラムでした。その年の暮れには立川でも演奏しました。
 1996年6月には新潟県北魚沼郡小出町の小出郷文化会館こけら落とし演奏会で第九を演奏しました。指揮は大町陽一郎先生。ウィーン仕込みの音楽をたっぷり教えてくださいました。第4楽章の途中に出てくるマーチがイスラムの残照であることを知ったのはこの時でした。
 演奏はいつもオーケストラのビオラパートなので、いつか合唱で歌ってみたいなあと思います。第4楽章で最初はバリトンソロ、そして合唱が後ろから聴こえてくるといつもぞくぞくします。どんな楽器の音色よりも人間の声はすごいなあと思います。